徒然部屋

徒然部屋（水槽日誌）

バックナンバー：えび部屋草子　2015.10.5 〜 2017.8.18

2019.8.12

産卵から３日目が経ち、卵に目ができています。卵を産んで一段落したこのあたりで『ニノ』の食欲が爆発します。なるべくエサを追加で与えていますが、水面から飛び出そうにしてエサを要求し、おかわりが止まりません。あまり食べ過ぎてお腹を壊さないか心配になってきます。それだけ卵を作る栄養と卵を産むエネルギーが必要なことがわかります。これは、エサの方ももっと栄養価の高いものを考えないと、生まれた後も丈夫な赤ちゃんができないかもしれません。夏休み明けに生ワムシも手配していますが、今回は間に合わないでしょう。

2019.8.10

ライブロックのシオグサの密生地の隙間に３ｍｍほどのアリのような未確認生物を発見しました。白い体、６本足、四角い頭の先に２本の長い触角。きっとヨコエビのような甲殻類と思われますが、このタイプは今まで見たことがなく、一体どこに隠れ住んで繁殖していたのでしょうか。腹を空かせた魚達のうろつく中で、のんびりシオグサの間を散歩している風でした。
マメスナのサンゴ台はサンゴ岩のポリプ密度が最大限に達ました。マメスナ赤はすでにサンゴ岩からサンゴ台に勢力を拡大していましたが、岩にわずかに残っていた隙間にも、ポリプが密集しポリプ同士が押し合いへし合いで圧迫しあっています。マメスナに飲み込まれそうだったスターポリプも押し返して場所を広げていて、スターポリプが密集して黄緑の鮮やかなポリプをたなびかせています。夜はブルーライトに蛍光色に輝いて目の保養にしています。

2019.8.9

『ニノ』が７回目の卵を産卵しました。これから夏休みが始まるところにモロかぶりです。

2019.8.8
朝きて確認すると、やはり全滅していました。水槽の中はブラインシュリンプの幼生が元気に泳ぎ回っているだけでした。魔の三日間といわれるだけあって簡単に乗り切ることは難しいようです。ただ、これまで一晩持たなかったのが冷凍ワムシの入れすぎなのか、生ワムシの効力なのか確認し、少なくとも生ワムシを培養していく必要がありそうです。

2019.8.7

朝、落ちた稚魚は５〜６匹程度しかいません。これまで一晩もたなかったことを考えると、かなりの進歩です。夏休みをこのまま稚魚の世話で過ごすことになるかもしれません。生ワムシがいないのが不安ですが、今日の夜にはブラインシュリンプが湧いているので、それまでの足しにと、また水換えと冷凍ワムシを投入して出勤。その夜、水槽をみるとこれまでと様子がかなり違うことに気がつきました。クロレラの残骸と混じってはっきりわかりませんがだいぶ落ちているようです。水面にいるのは３０匹、底の方に這っているのが４０匹ぐらいでしょうか。生きているのか死んでいるのかがわかりにくく、死んでいる稚魚をスポイトで吸い取ろうとして、生きてる稚魚を何匹も吸ってしまいました。底に寝そべる稚魚が多いとは思っていましたが、全体に弱っているようです。体を横にして目をギラギラ動かしていて他の稚魚がぶつかってくると慌てて泳ぐものや、ふっと泳いではゆっくり沈んでいくものなど、やはりエサ不足が祟っているのか、あるいはここのところの猛暑で部屋の温度が低すぎるのかもしれません。頼みのブラインシュリンプは水面に浮いた卵の残骸とエアーでよくわかりませんが、ケースに光を当ててみると途端にウヨウヨ引くほど集まってきました。それをスポイドで吸い取って、ネットで漉して稚魚水槽へ投入。みるみる水槽の中はブラインシュリンプの幼生で溢れます。幼生はかろうじて目で動いているのがわかる程度の細かさ。しかしこれでも稚魚の口には大きすぎるようです。体の大きそうな元気な稚魚もいますが、食べている様子は見えません。それでも生きた幼生をオトリ代わりにして、冷凍ワムシも追加しておきました。夜更けに見てみると、体の大きく黒くなっていた稚魚が全部落ちていて、体の小さな白っぽい稚魚が二匹泳いでいるだけでした。

2019.8.6

一匹、二匹動かないものもいますが、ほぼ全２００匹（推定）無事です。昨晩と変わらず皆元気で感動です。やはり生ワムシが効いたのでしょうか、それとも冷凍ワムシを抑えたからでしょうか。コップ１杯分の水換えをして、残った培養中の生ワムシを全て投入することにします。ここで生ワムシをケチるわけにはいきません。さらに冷凍ワムシを１０滴ほど与えて、仕事へ出勤。夕方戻ってくると、やはりほとんど２００匹全員が生き残っていました。新記録です。やはり生ワムシの影響なのでしょうか。しかし、もうワムシはありません。朝、冷凍ワムシを多めに投入したことで水が白くなってきているので、水換えを多めにし、また冷凍ワムシを５滴ほど入れました。生き餌がなくて大丈夫なのか不安なので、まだ早いですがブラインシュリンプの乾燥卵を孵化させて幼生を与えてみることにしました。稚魚は早ければ４〜５日目ほどでブラインシュリンプの幼生を食べるようになるそうですが、例外的にブラインシュリンプだけで育てた例もあるようで、ひょっとしたら幼生の中にも稚魚の口に会うほど小さい幼生がいるかもしれません。早速、薄い海水にエアーをかけて、ブラインシュリンプ・エッグを入れておきました。２４時間で孵化するはずです。

2019.8.5

予想通り第６回生が孵化しました。夜９時から稚魚を２００匹ほど確保。十分確保したところで、まだ袋パックのままの生ワムシをすべてネットで濾し取って稚魚水槽に投入します。はっきりいって生ワムシがいるのかどうかもわかりません。袋の中でそこに沈殿固化してしまったワムシ用のエサのクロレラも混ざってしまい、水槽の中がゴミゴミしてしまいましたが、稚魚は気にせず元気に泳いでいます。稚魚もワムシも小さすぎて食べているのかどうかもわかりません。作戦としては少量しかいない生ワムシを稚魚が食べ始め食気が出てきたところで冷凍ワムシを投入して一緒に食べてもらうシナリオです。３０分ほどしてから、時間差で冷凍ワムシのブロックを１００mLの海水に十分溶かして、５滴ほど投入すしました。さらに水槽の下に敷いた白い紙は反射してストレスになるかもと新聞紙に変え、強い光はよくないかと蛍光灯も少しずらしてつけることにしました。多くの稚魚は光の方へ集まりながらも、弱る様子もなく元気にしています。勝負の翌朝、水槽をみると、稚魚達は昨日の状態と全くそのままの状態でいました。

2019.8.3

どうやら袋の中の生ワムシが２〜３日で落ちていくようです、最初に見た頃よりも白い霞がなくなりワムシの数が減って水の透明度が上がっているように思えます。栄養不足か酸欠か、パッキングの際にメーカー側も袋の中に酸素やエサを注入しているはずですが、日持ちしないと注意書されている通りのようです。このままただ指を加えている訳もいかないので、一か八か生ワムシの延命と培養を開始することにしました。適当な入れ物に薄めの海水を作り、稚魚用のエアーポンプとブクブクで酸素と撹拌を行います。そこに生ワムシの袋を２〜３個投入しました。ワムシのエサはありませんが、ダメ元で前に買ったイソギンチャク用のマリンデラックスを入れてみることにします。これで増殖とは行かないまでも死なないで残ってくれればめっけもんです。

2019.7.29

『ニノ』が間の悪い６回目の卵を生みました。孵化は１週間後、どうすることもできずとってある生ワムシですが、それまではさすがに保たないでしょう。かといって捨てるのも忍びないので、なんとか生ワムシが１週間生き延びることを願うしかありません。エアコンのついた涼しい部屋で小分けされた袋のまま、梱包されてきた発泡スチロール箱に入れて保管することにします。

2019.7.28

記録的な大雨の中、宅急便で生ワムシが到着しました。が、時すでに遅し。小分けされた小さなビニール袋にカスミのように白いものが漂っていますが、これが生きたワムシです。あまりに小さいのでいつも培養しているのか全滅しているのかよくわかりませんでした。今回は稚魚に与える機会はありませんでしたが、次回はきっちりタイミングを測って入手したいと思います。

2019.7.26

第６回生の卵の目玉が大きくなり、ギラギラ光っています。『岡田くん』に加えて『ニノ』までがやたらと卵のお世話を始めました。ひょっとしたら孵化の兆候かもしれません。そうすると今晩が孵化くさいです。まだ７日しか経っていないのに早すぎます。生ワムシが届いていない中、孵化しても仕方がないので、なんとか孵化のタイミングをずらそうと、夜、部屋の中をわざと明るくしておきました。水槽のライトが消えも明るい部屋で９時、１０時、孵化は始まっていません。深夜０時、２時、再度チェックしましたが孵化はしていないので、これで今晩はもうないだろうと部屋を消灯して眠りましたが、朝起きてみると卵が綺麗になくなっています。水槽に稚魚の姿はどこにもありません。あのあと暗くなったので一斉に孵化したのか、もう孵化できないと知って親が食べてしまったのか、孵化のタイミングを調整できると思っていましたが甘かったようです。今までの実績から孵化は生まれて１０日ぐらいと思っていましたが、水温が高くなると７日ぐらいで孵化するようです。せっかく手配した生ワムシが思いっきりカラ振りに終わりました。生ワムシは生き物なのでそのまま保存もできず、培養道具もエサもないのでどうすることもできません。生エサの一番悪いところが出てしまいました。

2019.7.24
生ワムシを通販で注文しました。配達指定可能日をみると最短で７／２８とのことで、ちょうど孵化予定日ギリギリです。注文先は昔よく使っていた日海センターで、最近は生ワムシお試しセットというのがあり、小分けにされた生ワムシを孵化の日に合わせて、一日目、二日目と与えていくものだそう。昔は生ワムシに培養するケースやワムシ培養用の生エサ、ワムシ強化用エサ、ワムシ用ネットを買っていましたが、どういうわけか毎回１週間もするとほぼ全滅し、ほとんど培養できた試しがないので、生ワムシの効果を確認するには便利です。

2019.7.19

『ニノ』が第６回生の卵を産みました。今回は生ワムシにトライしようと思います。

2019.7.16

第５回生が孵化しました。２００匹ほど回収し、小型ケースに隔離しました。冷凍ワムシを海水に１ブロック溶かして、スポイトで１／２ブロック分入れてみましたが、翌朝、不思議なほどに壊滅。夜あれだけ元気の良い稚魚からの全滅は、何か決定的なミスがあるように思われます。エサの量かエサの質か、やはり人工餌ではダメなのかもしれません。そろそろ生ワムシを考えます。

2019.7.14

　
水槽の奥でマメスナギンチャクのポリプが落ちていました。ヤドカリ『お玉』がサンゴ台によじ登る時に引っ掛けて取れてしまったものと思われ、大き目のポリプです。前回、一度水中ボンドでサンゴ石にくっつけてみましたが、そのまま縮んでしまったので、今回はピンセットで回収してそのまま以前ウミアザミがいた固定台の上にそせてみると、ちょうどポリプの根元がグローブ状の形をしていて、そのまま根っこのように取り付いてしまいました。これで定着して、新たなマメスナ天国を形成してくれると良いですが。

2019.7.9

「ニノ」がまた卵を産みました。これで５回目です。第５回生の卵。休む間もなく世話をする『岡田くん』でした。

2019.7.5

第４回生（稚魚）は一晩明けると５匹になっていました。つまり４５匹ほど底に沈んでいます。水はやはり少し白くなっていますが、前回のように底が見えなくなるほどではありません。５匹はあまり動き回らずに水面に浮かんでいます。亡くなった稚魚と底に溜まった冷凍ワムシをスポイトで吸い出して、本槽の水を足し入れ、また新しい冷凍ワムシを１／３ほど与えて仕事に出社しました。帰宅して見てみると、残り５匹もあえなくホシに。エサのせいか卵の栄養のせいか。まあ、朝まで５匹はカクレクマノミ稚魚の新記録です。次回はもっとたくさん生き残れるよう努力したいと思います。

2019.7.4

第４回生（卵）が８日目を迎え、今夜は１００％孵化間違いありません。夜１０時ごろライトを照らすと案の定、卵がなくなっており、水槽の中で稚魚を数匹確認しました。前は一目でウジャウジャ確認できたのに、どうも今回は稚魚の数が少ないようです。早速、稚魚を取り出す準備をします。海水を１〜２リットル作って水槽に入れ濾過ポンプを止めて、ライトを水面に当てて稚魚を集め、コップですくい取ります。前回は一度に２〜３匹すくい取れましたが、今回は１〜２匹。明らかに稚魚が少ないです。それを１リットル容器に入れて稚魚を集めますが、１時間ほど格闘しましたが５０匹程度しか取れませんでした。それにこの時点で底に沈んで死んでしまう稚魚もいて、あまり状態がよくないようです。やはり慌てて産卵して卵に栄養が回っていなかったのかもしれません。容器にブクブクを入れ、しぶきが広がらないように容器をバケツの中に置き、蛍光灯をつけます。最後にエサの冷凍ワムシを与えますが、前回は２ブロック入れて水が白濁してしまったので、今回は２／３ブロック与えることにしました。水面にジッと浮かんでいるもの、くるくる回るもの、底で休むもの、トリッキーな動きをする活発なもの、やはり何時間でも見ていられます。さて明日の朝までにどれぐらい生き残っていられるでしょうか。

2019.7.1

第４回生（卵）が５日目を迎え、目玉がギラギラしてきました。この調子だとあと２〜３日で孵化しそうです。今回は『岡田くん』だけでなく『ニノ』も積極的に卵の世話をしています。やっぱり第３回生の罪滅ぼしでしょうか。そんな中、進出鬼没のスベスベサンゴヤドカリ『お玉』が今度は、昔ウミアザミを置いていたサンゴ台の残骸（マグネットクリーナー）の上に登っていました。登れたとは意外。もともとヤドカリ避けに作ったサンゴ台で、今まで一度も登ったことは見たことがなく、ヤドカリ本人も『マメスナ詰合せ』以外は興味がないものだと思っていましたが、どうやったかといっても藻をつたったとしか考えられませんが、最後の最高峰をみどと登頂して見せました。そこで台の上に生い茂った藻をたっぷりいただき、何食わぬ顔で砂底に戻ったのでした。

2019.6.29

第４回生（卵）が３日目を迎え、順調に卵が黒ずんできました。目のようなものもでき始めています。卵が黒ずんでわかりやすくなりましたが、やっぱり数というか密度というかサイズというか、一回り小さいような気がします。やはり立て続けの産卵で卵に栄養が不足しているのかもしれません。もう少し『ニノ』の食いしん坊将軍をサポートする必要がありそうです。それに比べて『マメスナ』の方はかなり分裂し密集し、ポリプも大きくなっています。『スタポ』も『マメスナ』に飲み込まれることなくいつの間にか勢力を盛り返して何もしていないのに大にぎわいです。やはり液状フード「マリンデラックス」のおかげでしょうか。といっても、イソギンチャクが死んでから「マリンデラックス」を毎日与えるのはやめており直接的な要因とも思えません。「マリンデラックス」が薄まってちょうど良いバランスになっているのかもしれません。

2019.6.26

昨日の今日で、また『ニノ』が第４回生の卵を生みました。イソギンチャクがいないと卵を生まないということもなさそうです。それにしても異常なサイクルで、お腹の中で卵の栄養を蓄えるのも大変だと思うのですが、なるほど、『ニノ』の食欲も異常というか、前から食いしん坊将軍で、こちらの姿を見ては水面までエサを猛アピールしてましたが、最近では妙に殺気じみていて、食べると言うより、食い散らかすといった方が正しいかもしれません。水面で猛アピールしすぎてエサをまいても気づかないことが多くなりました。暴飲暴食で体調を崩さなければ良いのですが。『岡田くん』はもともと少食で最近やっと貪欲さが出てきたのですが、卵に拘束されてまたエサをあまり食べれていません。クビアカハゼ『こぶーちゃん』は最近絶好調で、『ニノ』のおねだりに乗じて積極的にエサのおこぼれにありつこうとしています。岩をよじ登ってなるべくエサ場に近くまで寄ってきています。

2019.6.25
第３回生（卵）が昨日で７日目を迎えました。夜１０時頃に懐中電灯で水槽の中を覗いてみましたが孵化の気配はまだありません。『岡田くん』が卵の側で体を壁にあずけて眠っていました。卵の胎教を考えて早々にライトを消して水槽を離れ、翌朝、遠目に水槽を覗くと、『岡田くん』が相変わらず卵のケアをしているようなので、そのまま出勤し、夕方仕事から帰ってきて水槽を眺めると、あれ？卵がどこにもありません。昼間のうちに孵化したのでしょうか、そんな事例は聞いたことがなく、稚魚の痕跡もどこにもありません。ひょっとしたら、これは親が昼間に卵を食べてしまったのかもしれません。実際見たことはありませんが、ハマクマノミの時も何度か卵が昼の間に綺麗さっぱりなくなっていることがありました。子育てのストレスなのか、親が産卵サイクルで栄養が不足しお腹が減りすぎたのか、卵の発育が悪くて見切りをつけてしまったのかわかりませんが、食べてしまうとすれば量的にいっても母親の仕業であることは明白です。まあ『ニノ』は稚魚を食べてしまった前科もありますが。なんとなく『岡田くん』もイライラしているようで、時々、卵のあった場所に体当たりして何かアピールしているようでした。といっても証拠不十分なので、案外今朝は見間違えで、昨夜未明に孵化して回収のタイミングを逃してしまったのかもしれません。もっと注意深く観察する必要があるようです。何れにしても今回は稚魚を回収できず、残念な結果でした。

2019.6.16

イソギンチャクの騒動で、３回目の水換えをしようと準備していたら、また『ニノ』と『岡田くん』がサンゴ台の下で熱心に逢いびきしています。こちらも３回目の産卵が始まりました。かなりペースが早いように思いますが、『ニノ』は体力大丈夫でしょうか。２回の水換えで水槽はほぼ元に戻っているように思いますが、３回目は明日以降に延期します。

2019.6.12
朝、まっさきに昨日回収した稚魚水槽を覗いてみると、明らかな異変。水が真っ白に白濁しています。透明水槽で昨日は底までクリアに見通せるほどだったのに、全く見えません。まるで腐敗したイソギンチャクの呪いかと思うほどです。そのよどみの中に一切の動く気配が感じられません。稚魚、全滅しています。原因は冷凍ワムシのようで、稚魚が全員、ワムシにありつけるようにと５ｍｍ角のワムシのブロックを２つ分与えたのですが、多すぎて水が腐ってしまったようです。確かに半量ぐらいのワムシは底に沈殿していましたが、底で休んでいる稚魚にはちょうどいいだろうとそのままにしていました。たった数時間でこんなになってしまうとは。あれだけ元気だったのに気の毒なことをしました。ちょうどその時、本槽のライトがつきました。諦め半分で、昨日収容しきれなかった稚魚が生き残っていないか確認してみると、ちょうど１匹、回転式ディフレクターの流れに負けずに泳いでいる稚魚を発見。ケアをしない方が生き延びているのがなんともイタイところですが、無事な姿を見て感動。そこへ、ちょうど光に目が慣れた『ニノ』がやってきてパクリ。孵化の時は決して襲わないのに、朝になると赤の他人？まあハマクマノミで見慣れた光景ではありましたが、２度ガッカリしたのでした。

2019.6.11

今日も、２０リットル水換えをして、ヤドカリ『お玉』とスタポの元気な姿を確認し一安心。あとは週末にでもまた水換えをしたら完璧でしょう。残る心配は卵ですが、汚れた水にさらされて果たして無事に孵化するのかどうか。今日で８日目。前回が９日目なのでそろそろです。夜、１０時すぎに覗いてみると、あっさり孵化していました。今回は１日早いですがイソチンチャクの影響は特にないようです。イソギンチャクの死は予想外でしたが、もちろん前回の反省から稚魚対策はバッチリ進めていました。１００円ショップで１リットルぐらいの収納容器を準備。バクテリア付きブクブクと小型エアーポンプ、１日中点灯できる蛍光灯。そして、とっておきは冷凍ワムシです。今までは生ワムシとそれを生かして増やすエサや設備、道具一式が必要でした。昔、放棄したそれらを、送料合わせてボッタクリの通販でもう一度買い直すには抵抗がありましたが、それがこの冷凍ワムシで一挙に解決です。といっても、この冷凍ワムシも通販ではかなり不親切な対応でなかなか入手に骨が折れましたが（クール代払ってるんだから、ちゃんと冷凍パックして。）。今回もライトでおびき寄せてコップですくい取り、ブクブクをセットした１リットル容器の水槽に移していきます。今度は稚魚と水をたしていくので、水が容器からあふれないように、時々スポイトで水を回収して本槽に戻しますが、稚魚が元気に動き回るので間違って吸い込まないように注意が必要です。ネットでは稚魚が目を回すのでスポイトや手荒にコップですくってはダメとありますが、この程で弱ってしまう虚弱体質の稚魚はいません。皆、体も大きく元気がいいので期待できそうです。１時間ぐらい格闘し、２００匹程度収容できました。冷凍ワムシを２ブロック水にとかして解凍しスポイトでミニ水槽へ流します。前回の反省で、蛍光灯を設置してエサが１日中見えるようにします。水槽はワムシの細かいつぶつぶがブクブクにあおられて漂い、その中を元気よく稚魚が動き回っています。水面を漂うもの、底で休むもの、螺旋の動きはエサを捕まえる動作でしょうか。何時間でも見ていられます。この時点で死んでしまう稚魚はいませんでした。明日は何匹残っているか楽しみです。

2019.6.10

仕事から帰ると、水槽は明らかに白く濁っていました。水の匂いも独特なアミノ臭がして、完全にイソギンチャクが腐敗しているようです。プロテインスキマーもブクブクと泡が立ってケースから溢れていて、どうやらタイミングを計りすぎて水槽崩壊の危険な状態のようです。もはや卵だ墓標だなどと悠長なことを言っているヒマはありません。ライブロックを取り出して、ピンセットでイソギンチャクの残骸を取り出すと、水が一気に生臭ささを増しました。イソギンチャクはもはや体壁だけになって表面から繊維状に徐々にほぐれていきます。イソギンチャクのいた底砂に溜まった白い濃いエキスをスポイトで排除しました。『ニノ』がしきりに尻尾で底砂を巻き上げていたのは腐った水を散らしていたのかもしれません。臭いに我慢してある程度吸い取ったところで、急いで綺麗な海水を２０リットル交換しました。これだけのトラブルではありましたが、他の生き物たちはさほどダメージを受けていないようで、マメスナは普通にポリプを開いて、クビアカハゼ『こぶーちゃん』はレイアウトが変わって少しはしゃいでいる様子で、イソギンチャクのエキスなのか、ライブロックを動かしたからか、見えないプランクトンをそこかしこで捕まえています。心配なのは無脊椎のヤドカリとスタポですが、水が落ち着いた明日にでももう２０リットル交換することにします。

2019.6.9
２日間の用事から帰ってくると、イソギンチャクは復活の兆しなく触手すらも見えなくなっています。そして何やら水槽の水が白んでいるようにも見えます。これはイソギンチャクの崩壊が始まっているのかも。どうやら１ヶ月をまたずイソチンチャクは諦めなければいけないようです。『ニノ』は頻繁にイソギンチャクの周りの砂を尻尾で巻き上げています。イソギンチャクを引き上げるには、卵が産み付けられているサンゴ台が邪魔で、中央の大きなライブロックをどかさなければいけません。卵に刺激を与えたり、親を興奮させたりしないようタイミングを見て慎重に進める必要があります。また、家の近くにイソギンチャクの墓標も探さなければいけません。

2019.6.7

２日間の出張から帰ってくると水槽からシライトイソギンチャク『シライさん』の姿がすっぱり消えていました。居心地が悪くなって隠れてしまったのでしょうか。しかし、どこにもそれらしい姿はありません。そもそも、あれほどの巨体が隠れられる場所などないので、元いた場所をよく見てみると、岩の影に小ぶりの白い塊が。なんの部分なのかよくわかりませんでしたが、その下に青いシラタキのようなものがあるのを見て、ようやく『シライさん』がひっくり返って、しぼんでいることがわかりました。ひっくり返る＋触手が縮こまっている＝生命の危機です。一体、何が起こったのか最初は全く理解できませんでしたが、そういえば、卵の孵化が始まった頃ぐらいに『シライさん』の触手が部分的に縮んだ時がありました。いつも触手がぼーぼーで、触手以外の体壁や吸盤が見えることはほぼありませんでしたが、いびつに触手が縮んでいて、少し異様に感じました。その時は気温が３０度を記録しはじめた頃で水温が高くなっているのかもとクーラーを入れたり、稚魚のために生エサを多めに入れたので水が汚れたのかもと思い１０リットルほど水換えをおこなって、その後、触手が元に広がり問題ないなと思っていたのですが、あの時から調子を崩していたのかもしれません。『ニノ』もその頃は『シライさん』であまり遊ばないようになっていました。それとも例の液体フードで調子を崩したのかもしれません。いや、そもそも、もっと初めから触手はポロポロ落ちていたし、吸盤も妙に密着に力がなかったので、薬を使って採取された個体なのかもしれません。『ニノ』は時々『シライさん』を励ますようにからをすり寄せて刺激を与えています。急いで２０リットルの水換えを行いました。しかし、この後また２日ほど出かけなければならない用事があるので水槽のケアができません。『シライさん』のそばには第２期生の卵もあるので、なんとかこのままもって欲しいところです。

2019.6.2

『ニノ』や『岡田さん』達が卵の世話の一大仕事を終えて、また産気づくまでの間、稚魚の飼育の失敗の反省を活かし、じっくり傾向と対策を練よう！と思っていたら、何やらまた『ニノ』達が例のサンゴ台の下でゴソゴソ。まさかと思って見てみると、また同じところに卵を産んでいます。孵化から３日しか経っていないのにもう産むか。でも心なしか前回よりも整然と綺麗に産み付けられている気がします。クマノミはゾーンに入ると毎月ペースでずっと産卵するので、『ニノ』も本格的にゾーンに入ってしまったようです。最近、仕事の方が手が離せないのでケアができず心配です。

2019.5.29

９日目、昨夜は卵が孵化しなかったので今日は可能性が大だと思い、遮光カーテンでなるべく部屋を暗くして、夜の１０時ごろ、懐中電灯でそっと水槽の中を覗いてみると、水槽の中を細かいものがピンピンと跳ね回っています。卵が孵化しました！！皆、タイミングよく一斉に孵化したらしく、卵のままのものはありません。「ニノ」達は懐中電灯の光に慌てることもなく、稚魚達に興奮することもなく、かといって寝ぼけているようでもなくて、隅の方で大人しくしています。孵化したての稚魚を維持するための準備は十分ではありませんが、濾過循環を止め、急いで用意したメダカの稚魚隔離用のフローティングネットを水槽に浮かべ、コップで稚魚をすくってはネットの中にそっと流していきました。水は１０cm四方のネットを抜け、稚魚がネットの中に溜まる仕組みです。水温も水質も本槽の安定した水なので稚魚が弱る心配もありません。稚魚は光に集まる修正があるので懐中電灯で水面近くにおびき寄せて、まとめてすくいますが、皆元気がよくて、コップからすぐ逃げ出すので、一度に３〜４匹しか捕まりません。これを１時間ほど粘って繰り返し１００匹近く回収しました。稚魚はここからがヤマです。ここでほとんどの稚魚が死んでしまいますが、そのカギが稚魚用のエサにありつけるかどうかです。本来はワムシと呼ばれるプランクトンが稚魚の口のサイズに合うのですが、この活きワムシの購入と維持が難しいので、今回は一か八か、店で見かけた冷凍プラインシュリンプベビーを試してみることにしました。冷凍庫からブロック分けされたブラインシュリンプを水に溶かすと、みるみる溶けていい感じの細かいブラインシュリンプ粒になりました。それを２ブロックほどネットの中に振りまいて、新鮮な水がいきわたるように壁掛け式濾過の水が少しネットにかかるようにしておきました。翌朝、ネットの中を見てみると昨日あれだけ元気に泳いでいた稚魚の姿はほとんどなくって底に沈んでしまったようです。唯一１匹だけが水面に。やはりエサが口に合わなかったのか。一応、ブラインシュリンプベビーを１ブロック分ネットに流し、夕方帰って見てみるとやはりその１匹もいなくなっていました。やはり稚魚は難度が高いです。

2019.5.28

産卵から８日目そろそろ孵化が始まる時期です。２匹もそろそろ孵化することがわかっているのでしょう。この頃になると「ニノ」も卵の世話をするようになりました。熱心に世話をして、疲れては卵から離れ、またハッと思い出したように卵に戻るを繰り返しています。「岡田くん」は卵以外に興味なしといった感じで常に卵の前に陣を敷いています。世話というよりも、卵に体当たりしたり、ブルブル刺激を与えたり、噛みついたりしているように見えて、まるで孵化を促しているようです。

2019.5.26

産卵から６日目、卵の中にはっきり銀色の大きな目ができて卵がギラギラと水の中で光ってきました。「岡田くん」も母性（父性）が刺激されるのか常に卵に擦り寄ったり、キスしたり、胸ビレや尾びれで新鮮な水を与えています。

2019.5.25

イソギンチャクとクマノミの産卵にすっかり話題をさらわれていますが、その行動力で数々のサプライズをしているスベスベサンゴヤドカリ『お玉』がまたやってくれました。それは外掛け式の濾過器兼プロテインスキマーの吸い込みスポンジの初登頂です。もちろん長い「えび部屋」史上でも類を見ない快挙？です。この濾過器兼プロテインスキマーの吸い込み口は水槽の中ほどの高さにあり、触れているものは垂直に立ったガラス壁のみ。決してヤドカリが登れるはずはないのですが、卵に気を取られてふと視線の先に『お玉』がこともなげに登っている姿を見て驚きました。考えられるとしたら藻を足がかりに器用に登ったとしか思えないですが、よほどの奇跡がなければ無理だったでしょう。しばらくスポンジの上を楽しんだあとに、自ら砂底に落下していきました。砂底といえば、本体からはぐれてしまったマメスナのポリプ兄弟はまた砂の上に転がっていました。ライブロックとシオグサの間でしばらくポリプを覗かしていましたが、やはり置いただけでは定着できないのでしょうか。また同じところに置いてみましたが、今度はポリプもしぼんでいて、復活は難しいかもしれません。

2019.5.24

産卵から４日目卵が黒っぽくなってきて、目が現れ始めました。ちゃんと受精できていたようです。もう少しすると目がギラギラしてくるはずなのであと３、４日というところでしょうか。『岡田くん』は卵のケアはそこそこで、ヒレで新鮮な水を送ったり、口で卵を掃除することは見ませんが、卵からあまり離れようとせず、エサの時も一口ごとにエサ場から卵を見に戻っています。『ニノ』の方は大役を終えてあとはよろしくとばかりに、すっかりリラックスしてイソギンチャクの上でゴロゴロし、気が向いた時だけ卵を見にくる程度です。

2019.5.22

卵のハッチアウトに備えて、ホームセンターで隔離プールやらエアーチューブ、稚魚用エサの冷凍ブラインシュリンプベビーを買い込んできました。稚魚用のエサは本当は生ワムシがいいのですが、ネット通販はかなりのボッタクリ価格なので、ハッチアウトのタイミングを逃すとただのドブ捨てです。今後も産卵サイクルに入ると思うので、ある程度タイミングがつかめたら生ワムシを考えるということにして、ブラインベビーはお守り代わりです。心配していた産卵期のクマノミの攻撃性は『ニノ』や『岡田くん』にはみられません。『こぶーちゃん』が近づいても特に威嚇することもないようです。やはりカクレクマノミは性格的に温厚なんでしょうか。
ところでイソギンチャクですが、毎日のようにちぎれた触手が底砂に転がっているのが気になります。寝心地が悪くて『ニノ』にかじられているのか、『お玉』に夜な夜な夜食にされているのか、それともイソギンチャクの病気でしょうか。触手の膨らみを見ると特に弱っている様子はなさそうですが。

2019.5.20

シライトイソギンチャクを導入して１週間が経ちました。「ニノ」は絶えずシライトにどっぷり心酔というわけでもなく、気が向いたときに遊ぶ程度に留まっています。最近はクマノミカップルの恋路を邪魔しないようカーテン越しに水槽を眺めるようにしていますが、片目で覗いてみると、サンゴ台の下で「ニノ」や「岡田くん」が寄り添っています。「ニノ」はお腹を壁に押し付けながら上下、左右に、ときには逆さまになってサンゴ台の裏側に器用に体をくっつけては離れを繰り返し、「岡田くん」はその度に、近づいては確認しているようでした。しばらく経ってからサンゴ台の下を確認すると透明な卵らしきもが壁に鈴なりに付いています。ついに「ニノ」が産卵しましたッ！！生みたての卵は透明でちょっと見えにくいですが、初産らしくたどたどしい産卵で、卵があちこちに生み散らかしているといった感じです。カクレクマノミの卵は１週間ぐらいでかえるそうです。ただ今回は初産とあって栄養が十分ではなくかえらないかもしれません。「岡田くん」もついこの間までほんの子供だったので、受精できたかどうかも不明ですが、とりあえず、最低限の準備をすることにします。

2019.5.13

昨日入れたばかりのイソギンチャク。水槽のバランスもカップルのバランスも崩れ、すっかりリセットしてしまったようで、もしそうなったら、全くのイソギンチャク仕入れ損です。なるべく「ニノ」達を刺激しないよう、そっと水槽を見てみると、「ニノ」がさっそくイソギンチャクの触手の中に入ってリラックスしていました。たった１日でシライトにゴロゴロして馴染むその姿は、もはや板についているといってもいいでしょう。対照的に「岡田くん」はサンゴ台の真下でユラユラと「ニノ」を眺めているだけでイソギンチャクに近寄ろうともしません。このまま「ニノ」がイソギンチャクに夢中になってしまったら、産卵もなくなってしまうかもしれません。それはそれで稚魚の世話をする手間が省けていいのですが。シライトは体の体勢を整えるため少しズレた程度でその場所で落ち着いています。これはシライトのいいところで、サンゴイソギンチャクではあちこち動き回りこうはいきません。イソギンチャクがキューピットと小悪魔となるか、もうしばらく様子見が必要のようです。

2019.5.12

２ヶ月ぐらい前から地元のショップに足を運んでいましたが、ようやくおめあてのイソギンチャクを手に入れました。前回、状態が良くないからと売ってくれなかったシライトイソギンチャク。あれからちょくちょく足を運ぶも、なかなか入荷がなくて１ヶ月ほどたったGW開けの今日、ようやく店の水槽にお目見えしました。また断られるんじゃないかと内心ビクビクしながら店のマスターを呼んで、手の平サイズのシライトを無事ゲット。シライトとしては一般的な白い体壁、白い触手、触手の先端は青色で、コレクション性の乏しい普通個体ですが、今回は「ニノ」達の産卵という主目的があるので不問です。それに今まで一度も達成できていないイソギン飼育記録１年間にはフツーの個体の方が向いている気がします。水槽のレイアウト的にはかなりサイズオーバーですが、そもそもクマノミが遊ぶイソギンチャクは小型種がおらず、だいたい中、大型になるタイプばかり。店のマスターも、多分、水槽に移すともっと広がる可能性があるとのこと。他の魚達には不便をかけることになりますが、クビアカハゼ「こぶーちゃん」ならもっと狭いところにいたので大丈夫でしょう。ただ、産卵期の親クマノミは攻撃的になるらしいのが心配です。イソギンチャクはエサなしが自分の中のベスト解でしたが、念のためマスターにイソチンチャクのエサについて聞いてみると液状フード「マリンデラックス」を紹介されました。ソフト系の生き物はバンバン分裂して増えるんだとか。あまりいい思い出のないフードではありましたが素直に従ってみることに。後で「マリンデラックス」の裏の使用法を読んでみると、確かにマスターのセリフ通りのことが書いてありました。さっそく部屋に戻り、水槽の水換えと同時にシライトイソギンチャクを水合わせ、もはや昔のようなドキドキもありません。あらためて自分の水槽ごしにシライトを比べてみると、やはり不釣合いのデカさ。どこにおいても邪魔ですが、「ニノ」や「岡田くん」の産卵行動の場であるサンゴ台の真下あたりしかなさそうです。水合わせの袋から取り出してイソギンチャクをサンゴ台の下に配置、活きがいいのか悪いのかブニャブニャの体が邪魔でうまく隙間に入っていきません。触手を何本か体の下にしていまいましたがあとは自分で調整してくれるでしょう。サンゴ台でＬＥＤの光が遮られますが、そこは液状フードで我慢してもらうこととします。いきなりの巨大な訪問者は２匹の燃える恋心に水をさしてしまったようでした。「ニノ」も「岡田くん」も寝床になんだかデッカいのが居座ったと遠目からおっかなびっくり眺めるばかりです。

2019.5.7

春休み帰省で水槽を留守にしました。大型連休といっても間に出勤日があり、実質は４日ぐらいの連休なので、この程度なら冬場と違って水の蒸発の心配もありません。戻ってきても、魚達も何事もなかったのように薄い反応です。ただ、カクレクマノミ「ニノ」と「岡田くん」ペアの行動がいよいよ本格的になってきた様子。お互いまとわりつくようにランデブーし、時々ひとつの場所を口で掃除するような仕草をしています。それは産卵の前段階の特有の行動でもあります。その場所とはスタポとマメスナを置いている屋根のようにせり出したサンゴ台の下の壁面で、いつも「岡田くん」が根城にしている場所でした。よく似た産卵行動はこれまでもありましたが、その時は「ニノ」がオーバーフロー配管を欲求不満のように腹をすり寄せていましたが、今回は「岡田くん」が率先して壁を掃除していて「ここに産んで」とアピールしているようで、「ニノ」も結構その気になって一緒に掃除しています。たまたまそのそばのライブロックの上で一休みしていたスベスベサンゴヤドカリ「お玉」を「ニノ」が尻尾で叩いて追っ払おうとしています。気が立っているのはますます産卵間違いなしですが、何かで読んだ資料にカクレクマノミはイソギンチャクがないと産卵しないとあったので、いよいよイソギンチャクの仕入れに本腰を入れなくてはいけないようです。

2019.4.22

オーバーフローの裏の底砂に黒いギザギザしているものを発見しました。最初は藻が剥がれ落ちて変色したものかと思いましたが、よく見るとそれはマメスナギンチャクのポリプの断片でした。おそらく『マメスナ詰合せ」が『お玉』にひっくり返されてサンゴ台から落ちた時に剥がれたものだと思いますが、ポリプ２個が共肉でつながった状態でした。それが驚いたことに砂の上に転がった状態で２体とも元気にポリプを開いています。マメスナは生命力が強い、初心者向けソフトコーラルという意味がようやくわかった気がします。とはいえ根付けない砂の上ではさすがに長くは保たないだろうと、スポイトで吸ってライブロックの平面に置いてあげました。が、しばらくすると、わずかな水流や魚達のいたずらでどうやっても砂に転げ落ちてしまいます。本当は水中ボンドでくっつけるのがいいのでしょうが、ポリプのダメージを考えて、自力で取り付いてもらいたい。そこでなるべく深いくぼみのあるシオグサの隙間に入れてみました。うまく根付いてライブロックにマメスナ畑ができると最高です。

2019.4.6

ライブロックから大きなケヤリムシが触手を伸ばしているのを見かけるようになりました。水槽のメインレイアウトでもあるライブロックはこの数年トロロ藻やシオグサに覆われて住処を奪われ、すっかり姿を消し、もう絶滅したものと思っていましたが、水槽の環境が改善し、藻がなくなって岩肌が見えるようになると、昔のように岩のあちらこちらに姿を見せるようになってくれました。海の生物は弱いようで、意外に生命力が強いです。

2019.3.24

面倒でもなんとかこなしていた２週間に１回の水換え＆掃除ですが、ここのところ、なんだかんだ行事で時間が取れず水換えを３週間ほどサボっていました。今週も水換えができなくて、このままでは１ヶ月放置状態ですが、魚達やサンゴ達はいたって元気そうです。水槽の汚れや藻の繁殖もほどほど抑えられ匂いも気になりません。とはいえ、海水魚の場合、深刻なストレスを抱えていてもハタからは見えないので油断はできません。が、それ以上に、さすがに申し訳ないので、せめて軽く掃除をすることにしました。前面ガラスの苔をとって、側面の水面に伸びているシオグサをピンセットでむしり取っていると、水面を横切る不自然な影に気がつきました。漂っている藻の破片とは明らかに異なっていて、水流に逆らって意思のある動きをしています。小さく丸く透明で、よく見ると２〜３mmほどのクラゲの幼生のようです。２本の触手が伸びていて、傘を細かく動かしてチョコマカと水面を動き回っています。水槽を手付かずで放置していたので、自然発生したということでしょうか。そういえば秋田で水槽を立ち上げた際にも何度か１〜２mmほどのクラゲのようなプランクトンを見たことがありますが、あれから３年以上経って３度も水槽をリセットし、腹を空かせた魚どもが徘徊する狭い空間で、華奢なクラゲが一体どこで命をつないでいたのでしょうか。生命の神秘を魚達に気づかれないように写真をとっていましたが、ちょっと目を離したスキに見失ってしまいました。藻やシオグサの障害物を除去したため、回転式ディフレクターに巻き込まれてしまったか、オーバーフローへ流されてしまったか、マボロシのごとく消えてしまいました。とはいえ回収してもまともに育てることもできなかったでしょうから見れただけでも満足でした。またいつか命を引き継いだ個体に出会えるでしょうか。

2019.2.17
成長した大量の藻は水流に煽られて根こそぎ剥がれて結局すっきりとしてしまいました。『ニノ』はまたオーバーフロー配管の裏で暇そうにしています。去年のことですが『えび部屋２』水槽の立ち上げ当初から使っていたエーハイムの自動エサやり機が完全に動かなくなってしまいました。電池を変えてもデジタル表示がウンともスンともしなくなり電気回路が飛んでしまったようです。何度かハデに落として電池を飛び出させたりしていたので、やむなしだったかもしれません。お気に入りでしたが、また同じものにするのも芸がないので、無名ブランドの安いコピー品で部分的にパーツ交換してやろうとしたところ結局規格が合わず、コピー品を使うことになりましたが、すぐに電池が液漏れし、何度も電池を交換した挙句、ついに半年でエサを供給しなくなってしまいました。たまたま気づいたものの１週間ほど魚達はダイエットだったようです。自動エサやり機は福引きのガラガラの要領で定期的に回転してエサを落とすだけなのに、大雑把なタイマー式であったり、エサ量の調整がうまくできなかったり、このご時世でもなかなかいいものが出回っていないように感じます。急いで別のものを注文しました。今度もあまり聞かないメーカーですが今回はちゃんと動いてくれています。

2019.1.22

水換えの時に砂底に溜まったデタトリスの掃除を始めてかなり藻の発生は落ち着いて、サンゴの『マメスナ詰合せ』も御庭番の『お玉』が毎日のように登っては手の届く範囲の藻をきれいに食べてくれるので、だいぶ水槽のメンテを手抜きできていますが、そのズボラが祟り水槽の右側のガラス面の藻が徐々に増えてきて、気づいたら、また大きな藻の塊になってしまいました。目に余るので撤去するつもりが、『ニノ』が藻に包まって遊び始めたので除去しずらくなっていまいました。イソギンチャクを知らない相棒の『岡田くん』は『ニノ』の奇行に呆れながら、サンゴ台の下でつまらなさそうにしています。『こぶーちゃん』はライブロックの裏で人目を避けつつ餌のプランクトンを捉えるのに常に集中しています。ライブロック、藻、砂底を巡回しながら、エサの気配がする場所ではジッと獲物が出てくるのを待っています。ぽかんと口を開けて見た目にバカっぽいですがお腹の膨らみをみると優秀なハンターのようです。

2018.12.12

奇跡的に接木に成功したウミアザミはその後、本体は崩壊してサンゴ石から取れてしまい、そのままだと忍びないのでライブロックの穴に差し込んで接木を促しましたが、いつの間にか落ちてどこかにいってしまいました。残った接木の赤ちゃんポリプはサンゴ台に隔離して大切に育てましたが、どうしても藻が繁殖してきてポリプを覆いそのまま藻の栄養になってしまいそうなので、おっかなびっくりで『お玉』に掃除してもらいました。ハラハラしながら前回に続いてなんとかポリプは刈り取られずに済んだので、やっぱり『お玉』はサンゴの御庭番じゃないかと油断が生じました。３回目、調子に乗って再度『お玉』に委ねたのですが、次の日、置き方が悪かったのか、ひっくり返っていたサンゴ石を見てみると、・・・赤ちゃんポリプがなくなっていました。決して肉食ではないはずですが、やっぱりイエローポリプのような柔らかいサンゴは間違って取ってしまうのでしょう。『お玉』も所詮は畜生です。これでウミアザミは完全に消失してしまいました。無念です。

2018.12.1

もう一つのサンゴ台の『マメスナ詰め合わせ』はゆっくり確実にマメスナを増やしています。サンゴ石は８割ほどマメスナに覆われました。スタポも『お玉』の掃除能力でなんとかトロロ藻に覆われることなく、マメスナにほとんど占拠されながらもなんとかその場に留まっています。『お玉』は１日と日を置かずにサンゴ台に登っては熱心に掃除をし藻の発生を抑えていて、マメスナやポリプはその度にポリプを閉じてやり過ごしていますが、それが原因で体調を崩すことなく、しばらくすると元気にポリプを開いています。最近は赤マメスナの成長が著しく、サンゴ台にまで勢力を伸ばしていますが、今はサンゴ台の淵の下部分にとりついて、どんどん増殖しています。淵の部分の水流の当たりがいいのか、日当たりを避けているのか、ポリプも今までにないほどの大きさに膨れています。

2018.11.18

接木作戦は前回の経験からさほど期待していませんでしたが、やはりどれも根付くことなく失敗したようです。ウミアザミ本体はポリプが全て抜け落ちて原形を留めていません。水中ボンドで茎の残骸がかろうじて残っている状態ですが、腐って溶けることはなくゆっくりと崩壊が進んでいる様子。前回『お玉』に剥がされてからは、アプローチできないようまた台の上に避難させていましたが、やはり水面に近いこともあってか、２週間もするとサンゴ石が藻に覆われしまうので、今度はウミアザミが剥がされることを覚悟で、また『お玉』に与えることにしました。すると翌日にはまた真っ白なサンゴ石に戻っています。ものすごい食欲ではあります。今度はウミアザミを避けて藻を食べる余裕があったようで、剥がされることなく残っていました。と、そのウミアザミのそばのサンゴ石の凹みをよく見てみると、何か小さい星のような形が見えます。どうやら小さなウミアザミのポリプのようです。人工的には無理でしたが、自然に本体から落ちたポリプがサンゴ石の複雑な凹凸に捕まってうまく定着したようです。ウミアザミは死ぬ時に、ポリプを先に落として、そのポリプが別の場所に定着して、生をつなげていくようです。前回、別のヤドカリ（スカーレットリーフハーミットクラブ）がウミアザミを引き裂いた後で、その周りから小さなポリプが一斉に生えてきたのは、その引き裂かれた破片が落ちて定着したからなのでしょう。ちょっとした発見です。このまま２世を慎重に育ててウミアザミの槽歴を伸ばしていきたいです。

2018.11.10

　
再度水中ボンドで固定したウミアザミはその後回復することなく、横たわったままついに最終段階を迎えたようです。最初にポリプがボロボロと葉のように落ちていきます。こうなるとほぼ回復は見込めません。ウミアザミの周りには小さなブロッコリーのようなポリプが転がっていて、それらは時々水流に流されてサンゴ台から落ちたりしています。不思議なことにその一本一本のポリプはすぐに腐ってなくなることはなく、本体より新鮮なように見えます。ひょっとしたらこれが継木となって定着するかもしれないと、回収してはいろいろな岩の上に載せてみましたが、今のところ水流に流されるのか『お玉』に蹴飛ばされるのかして、その兆しはありません。

2018.10.30

順調に回復に向かっていたウミアザミでしたが、なぜか急にしおれ始めました。ポリプはしぼんで茎は横だおしになりあからさまに元気がありません。はっきりした原因がわからないまま、それに呼応するようにウミアザミがくっついているサンゴ石にもトロロ藻が加速的に成長し始めました。ウミアザミの体調の改善方法もなく、藻を完全に除去する方法もなく、このままでは時間の問題です。そこで一か八か『お玉』にもう一度託してみることにしました。普段は登れない場所にあるウミアザミを砂底において『お玉』がアプローチできるようにしました。次の日様子を見てみると、藻に全面覆われていたサンゴ石が真っ白に。まるで新品のようになっていました。『お玉』がきれいに藻を食べてくれたのでした。そして、肝心のウミアザミも・・・なくなっていました。もともとウミアザミはサンゴの破片に自力で取り付いていて、破片とサンゴ石をボンドでくっつけていましたが、今度は茎と破片との境できれい剥がされて、ウミアザミは砂底に転がっていました。他に術がなかったとはいえ逆効果だったようです。藻を食べ進めるうちに夢中になってウミアザミまで剥がしてしまったようです。幸いウミアザミは剥がされてもダメージもなく意外にポリプもしっかりしています。悩みましたが、このままにしても石に定着するのは不可能と最後の奇跡を信じてもう一度水中接着剤に固定することにしました。水中からウミアザミを取り出し、ぬるぬるの茎の足の裏にボンドを塗って数十秒指で軽く石に押さえつけてから静かに水中で指を離しました。水中ボンドは即効性ですぐに固まりましたが、さすがにダメージが大きいようです。

2018.10.20

『お玉』によって『マメスナ詰め合わせ』をサンゴ台から落とされたことで、『マメスナ詰め合わせ』とのコネクションを絶たれてしまったサンゴ台の赤マメスナたちはどんどん繁殖の地を広げているようです。以前のように茎を伸ばしてひまわりのような大輪のポリプを咲かせずに、サンゴ台にへばりつくように茎を縮め、その代わり、茎を菌糸のように這わせて離れた場所に新しいポリプを分裂させているようです。このままいくと数ヶ月でサンゴ台の表面は赤マメスナで覆われてしまうことでしょう。これも御庭番『お玉』の影の活躍によるものなのかもしれません。

2018.10.17

『ウザミ』は体が曲がっているなりにうまく茎を伸ばし順調に回復しているようです。
一方、いつもサンゴ台にいる『お玉』ですが、毎回、ハシゴもないのにどうやってサンゴ台まで登ってきていたのか、ようやくそのシーンに立ち会うことができました。『お玉』は普段は折りたたんで目立たない巨大なハサミをうんと伸ばし、貝殻から上体が抜け出そうになるまで伸ばすと、５cmぐらい離れたライブロックの頂からサンゴ台にハサミをかけることができます。そこから懸垂して殻を持ち上げれば、簡単に登ることができるようです。

2018.10.8

水中ボンドで弱っていた『ウザミ』は最近調子を取り戻したようで、ようやく体を起こしてポリプを広げるようになりました。ただ、起こしたといっても茎が変な風についているためか、ちょっと曲がってしまっています。でもここまでくれば『ウザミ』はもう大丈夫でしょう。また以前のような力強いポリプを見せてくれることを期待です。
　

2018.9.29

ウミアザミ『ウザミ』はポリプを閉じ気味であまり元気がありません。足元に取り付いていたサンゴの破片を元のサンゴ石に水中ボンドでくっ付けるまではよかったですが、どうやら、たくさんつけすぎてはみ出たボンドに茎がくっ付いたらしく、横倒しのような状態になったようで、体をまっすぐ起こすことが難しそうです。また大量につけたボンドの成分にやられて弱っているのかもしれません。一方、広い貝殻で体を自由に動かすことができるようになったスベスベサンゴヤドカリ『お玉』の方はソフトコーラルのセット品の『マメスナ詰め合わせ』のいるサンゴ台に軽々と登っては有り余る食欲で、あらゆる藻を食べ尽くしているようです。その勢いでマメスナの狭い隙間に大きな貝殻で無理に押し入ったせいなのか、『マメスナ詰め合わせ』がサンゴ台から落ちていました。幸いひっくりかえってポリプがぺしゃんこにならずにすみましたが、仕事から帰って急いで元に戻すと、『マメスナ詰め合わせ』の下はちゃっかりクビアカハゼ『こぶーちゃん』の格好の隠れ家となっていました。落っこちる前は、赤いマメスナがサンゴ台に乗り移って元のマメスナとともに扇型の綺麗な花畑になっていましたが、元通りに合わせることができず、お花畑は分断してしまいました。

2018.9.12

『お玉』は今日も絶好調で、水槽を縦横無尽に動き回っています。特に、夜中は活発らしく、貝殻がガラス壁に当たって一晩中コツコツ音が鳴っています。大きな貝殻になってもう『マメスナ詰め合わせ』のいるサンゴ台には登れないだろうと思っていたのですが、朝水槽を見るとフツーによじ登っていました。あの巨大な貝殻を背負って爪を立ててオーバーフロー水槽を登ったのでしょうか。まだ直接見たことがないので謎のままです。

2018.9.9

シオグサから解放されて、足元がなくなった『ウザミ』はバランスが悪く、調子を戻してポリプを広げると頭でっかちになり、水流を受けて流されエビ土管から抜けてサンゴ台から落ちてしまいます。サンゴ台から落ちると水槽の裏側にまわってしまい回収が面倒なので、ライブロックの隙間に差し込んでやると、『お玉』が目ざとく見つけてエビ土管から『ウザミ』を引っ張り出し、すぐに興味を失くして放置され、結局、砂底に転がっています。その度に柔らかい『ウザミ』をピンセットで慎重に引っ張り上げたり、エビ土管に入れたりして弱りそうなので、ついに意を決して水中ボンドで固定することにしました。以前、枝分けに失敗した際に東京のショップからコーラル専用の水中ボンドを入手していたのでした。事前にもともと『ウザミ』のいた枝サンゴ石はシオグサを抜いて室内干しをしておきました。ボンドの先に穴を開けると、独特の体に悪そうな接着剤の匂いがします。『ウザミ』を慎重に水中から取り出します。ぬるぬるのウミアザミでしたが、幸い取り付いていたサンゴの破片があるので、破片と枝サンゴの石に急いで水中ボンドを塗ります。普通のボンドと違うのか、玉のようにボロボロになってうまく広がりません。本当にくっつくのかわからず大量に塗って急いで『ウザミ』を固定しましたが、さすが専用の水中ボンドとあって、慌てて指についたわずかなボンドで一瞬、枝サンゴ石から指が離れなくなりなりました。『ウザミ』もしっかりくっ付いて簡単には取れなさそうです、しかしボンドをつけすぎたのか、『ウザミ』の足元がいびつな格好でくっついてしまったようです。空中に出したためか、ボンドの匂いのせいか、初日は死んだようにしぼんでいました。

2018.9.3

予定外の『お玉』の宿替えイベントがありましたが、その後も『お玉』による治療は続き、ライブロックの隙間に差し込んでいた『ウザミ』を外に引っ張り出し、『ウザミ』がしがみついているサンゴの破片にボーボーだったシオグサが短く刈り取られています。これなら枝分かれする可能性もあるかもしれません。どうせなら全部綺麗にシオグサを排除してくれたらいいのですが、『お玉』はそれ以上シオグサにも『ウザミ』にも興味を示すことはありませんでした。そこで『ウザミ』を回収し、エビ土管の穴に差し込んで、サンゴ台に戻すことにしました。

2018.8.16
宿をリホームした『お玉』はその後、数日、元気がなく貝殻にこもりがちになってしまいました。ひょっとして貝殻が体に合わずに体調を崩したのかもと思っていると、翌朝まるで死体のような特大の脱皮が砂底に落ちていました。それからというもの、元気がなかったのが嘘のように宿替え前以上にパワフルに動き回って食欲旺盛です。やはり前の宿では体がこれ以上大きくならないようにダイエットしていたのかもしれません。

2018.8.12

　
『お玉』が”えび部屋”にきて１年近くになりますが、その間、脱皮も何回も繰り返して背中から足にかけてかなりグロい・・・迫力のある体つきになっています。今のところ、まだ殻に体が収まってはいますが、そろそろ大きめの貝殻が必要なように思えます。しかし、通例の問題として、ヤドカリ達のヤド選びはこだわりがハンパないため、なかなか貝殻を替えてくれません。今まで飼ったヤドカリで貝殻を替えてくれたのは、１回か２回ぐらいでしょうか。前回のスカーレットリーフハーミットクラブ『やっちゃん』も宿替えをしてくれずに最後は脱皮中？にアカモエビに食べられてしまいました。もしかしたら、気にいった貝殻がないまま無理に狭い殻に体を押し込めていたせいで脱皮に失敗したのかもしれません。そこでダメ元を覚悟で、週１回ぐらいのペースで新しい貝殻を１つずつ水槽に沈めてみることにしました。よく動き回る『お玉』なら１週間もあれば何度も貝殻と対面するので、それで替えなければ見込みナシということで違う貝殻に交換します。まずは手持ちで一番大きい貝殻で軽く様子見を見てみることにしました。すると翌朝、あっさり宿を替えている『お玉』の姿が。前回より２回りほど大きく見えますが、意外に体に似合っている様子。前の貝殻は、たいぶ我慢して使っていたのかもしれません。

2018.8.9

サンゴ石から取れてしまった『ウザミ』を、なんとか前の形になるようにサンゴ石とガラス壁の間に挟んでいましたが、壁に挟まれた状態だとポリプを広げられず元気がありません。サンゴ石の破片になんとかくっ付いた状態ですが、この破片にもまだたくさんシオグサが残っていて、万が一にも乗り移りも枝分かれもしてくれる可能性は期待できません。といって、シオグサをむしり取るには破片が小さすぎて『ウザミ』本体を掴まなければならず弱らせてしまいます。このままでも、床ずれしてだんだん腐って死んでしまう可能性大です。そこで最後のカケとして『ウザミ』を『お玉』に委ねることにしました。『ウザミ』をサンゴ台から下ろし、ライブロックの岩の隙間に差し込んでおきました。ひょっとしたらサンゴの御庭番の『お玉』が『ウザミ』のシオグサを取り除いてくれて、ついでにライブロックに定着させてくれるかもしれません。というのも、なんだかんだで『ウザミ』が枝分けしてくれたのは前任のハーミットリーフレッドクラブ『やっちゃん』がバラバラに引き裂いたあとだったからです。そうしてしばらくすると、はたして本当に『お玉』が『ウザミ』の足元に取り付いてシオグサを食べてくれています。普段ライブロックに生えているシオグサには見向きもしないのにどういう理由でしょうか。ひょっとすると『お玉』はサンゴの周りでサンゴのエキスを吸っている藻が好物なのかもしれません。

2018.8.8
マメスナが絶好調の影で、日に日に具合が悪くなっているのがウミアザミの『ウザミ』。ポリプがくたびれたモップのようにチリチリになって、茎部分も力なく横になった状態が続いています。その原因と考えられるのは『ウザミ』の周りをびっしり取り囲んでいるシオグサです。『ウザミ』の足元が見えないほど覆われてしまっていて、栄養を吸い取られているのかもしれません。以前から気になっていたので、思い切って除去することにしました。元々『ウザミ』は小さな枝サンゴの石の上にくっ付いていましたが、今はシオグサで亀の子ダワシ状態です。ピンセット１本だとシオグサごとサンゴ石も持っていかれるので、ピンセット２本でサンゴ台に押さえつけながらシオグサを引っこ抜きました。何層にも重なっているシオグサは簡単に剥がせるものもあれば、底で頑固に石に根を下ろしているものもあります。２／３ほど引っこ抜いたところで、急に力が抜けるような違和感があり、見ると『ウザミ』がシオグサごと抜けて宙ぶらりんになっていました。『ウザミ』の根元にはわずかな石の欠片があって、それにかろうじてくっ付いています。爆発的に繁殖したシオグサがサンゴ石をスカスカにしてしまったようです。どうやら自ら『ウザミ』に最後の引導を渡してしまったようです。サンゴ石を取り出して残りのシオグサを全て手でむしり取り、『ウザミ』をサンゴ石とガラス壁に挟むようにして戻しました。イソギンチャクのように別の場所に乗り移ってくれればいいのですが望みはほぼゼロでしょう。このまま枯れてしまうかもしれません。

2018.8.5

　
赤いポリプが順調な『マメスナ詰め合わせ』ですが、あらためて全体を見回してみると、昔は２割ぐらいまで減少し空きっぱだったマメスナコーナーはもうびっしり隙間なくポリプで埋まっています。特になかなか繁殖しなかった青のマメスナが確実に数を増やしていて、マメスナに限っていえば、もう購入時を上回っているほどの繁殖といってもいいほどです。ただその勢いに押され、スタポが繁殖の場を追われています。かつてはマメスナと双璧でしたが、今は逆に全体の２割ほどの分布でスタポの領域にマメスナが入り込んできています。スタポはなんとか共肉を広げていますが、トロロ藻に弱く繁殖スピードも遅いようで、このままだとマメスナに全面占領されてしまうかもしれません。

2018.8.3

日中クーラーで水槽のある部屋を冷やし、夜間に仕事から帰ったらクーラーを止めるということを騙し騙し続けていましたが、７月も深まるとすぐにそんな中途半端も効かず、８月はほぼ２４時間ノンストップでクーラー全開です。といっても、なるべく電気代をケチりたいので水温的にギリギリの２８℃の設定に抑えたいところ。しかし、それも水温上昇の警告を告げる冷風ファンが稼働するため、２７、２６℃と下げていきました。このままでは今月の料金票を直視することができないと焦りましたが、試しにクーラーのモードを自動からドライ設定にしたところ、あっさり問題解決しました。冷房に大切なのは温度ではなくて湿度でした。除湿をすれば３０℃設定にしても涼しさを感じ、冷風ファンが長時間うなりをあげることもなく、なんとか２８℃以下を保っています。ただ、明らかに水温は冬や春に比べて高いので『お玉』の力の及ばない垂直のガラス壁には藻が繁殖し始めました。すると『ニノ』がねぐらを離れて、もっさりしたトロロ藻に身を委ねるようになりました。やっぱり昔のイソギンチャクが忘れられないのでしょう。経験のない『岡田くん』の方は、ねぐらのサンゴ台の下でキョトンとしています。

2018.7.29

本格的に猛暑が到来し、連日厳しい気温で水温管理もままなりません。しかし、マメスナギンチャク（赤）には心地よい環境なのか、どんどんポリプを増殖させています。白っぽい透明なポリプの茎部分をアメーバーのように伸ばして枝分かれしてポリプがツクシのように増殖しています。ついには、サンゴ台を覆い隠す勢いです。十分お花畑状態ですが、サンゴ台に取り付いた１つを、本槽のメインのライブロックに移植したら水槽全体に定着してくれるかもしれません。

2018.7.15

最近、「岡田くん」の縄張りが「マメスナ詰め合わせ」のサンゴ台の下に固定されたようです。暇さえあればそこにいて、台の裏側を丹念にケアしている様子。ひょっとして妊活かと思いましたが、「ニノ」がそばに近寄ると、体を痙攣させて威嚇しています。う〜ん、これは独立宣言でしょうか。やっぱりイソギンチャクで中を取り持つのが良さそうですが、今、マメスナや魚達が順調なだけにあまり生体を増やしたくところです。そんな中、唯一の気がかりがウミアザミの「ウザミ」です。仲間を減らして一本立ちしてからは順調に太り、ポリプを伸ばし放題伸ばして、過去最高の成長でしたが、最近はフサフサだったポリプに元気がありません。キューティクルの壊れた髪のように縮れて元気がなく枝垂れている感じです。暑さでバテているのか、取り付いている岩にびっちり覆ったシオグサのせいでしょうか。以前のように枝分かれして欲しいところですが、前回の教訓からもう配置換えはできません。こんな時頼りになるはずの「お玉」ですが、全く「ウザミ」側のサンゴ台に興味を示さないのが不思議です。垂直の壁だろうがおかまいなしで、シオグサを伝って登れば簡単だと思うのですが。一度完全にシオグサを除去して見た方がいいかもしれません。

2018.7.8

「マメスナ詰め合わせ」の赤いマメスナがポリプを伸ばしてかなりボリューミーになっているなと思ったら、明らかにサンゴ台の下から伸びているので、よく見てみると３〜４個のマメスナがサンゴ台に定着しています。一体どうやって岩からプラスチックの台の上に移ったのかは不明ですが、先週の掃除の時には気がつかなかったので、かなりなスピードで増殖したようです。確かにマメスナやスタポはツボにハマると爆発的に増殖すると書いてありましたが、夏場の水温調節か、毎回デタトリス除去をしている水質改善の効果か、１年前はほぼ全滅の兆しがあった赤マメスナが復活どころか新しい土地を開拓してまで増えてくれたことに感激です！！思えば、えび部屋２水槽を立ち上げた当初、ライブロックにたまたま付いていたマメスナの仲間のタマイワイソギンチャクを１ヶ月程度しか維持できず悔しい思いをしましたが、これでリベンジも達成し、ソフトコーラルの飼育テーマは新たな段階を迎えました。ただ、爆発的に増殖となると、将来、藻の除去ではなく、マメスナの除去をすることにならないか少し不安です。

2018.6.17

今日も「お玉」はマイペースでライブロックのあちらこちらを徘徊しながら、足を滑らせてひっくり返っていました。しばらく仰向けになったまま、のんびりと伸びをするようにハサミを出し触覚を出し、ソロソロと顔を出して、さてどこへ行こうかと思案中。ゆる〜い時間が流れています。「ニノ」もすることがなければオーバーフロー配管の後ろに引きこもり、ちょっと離れたところに「岡田くん」も自分の世界に浸っている様子。「岡田くん」は水槽の上層の方にいて、底には滅多に泳いでいきません。稚魚の特性かと思っていましたが性格のようです。最近ちょっと凶暴になったクビアカハゼ「こぶーちゃん」は餌の時間になると餌場の下に待機して水面近くまで上がってくるようになりました。当然水面はニノが陣取っていますが、時々尻尾にかぶりついて邪魔をします。また、「岡田くん」に対しても突進して追い払いますが、それほど厳しい当たりでもなく、「岡田くん」も軽くいなしているようなので大丈夫でしょう。餌は２粒、３粒で満足しますが、何か小さいプランクトンをいつも食べていてお腹は相変わらずパンパンです。

2018.5.19

スベスベサンゴヤドカリ「お玉」は気がつくと水面近くの「マメスナ詰め合わせ」のいるサンゴ台に毎日のように登っては、サンゴの周りの藻を食べて綺麗に手入れしてくれています。もうほとんど日課のようですが、以前のように台を傾けたりして、特に登りやすくしているわけでもないので、実際にどうやってよじ登っているのかはわかりません。下ではあまり食べてくれないシオグサやハネ藻も、上では結構食べてくれていて、体の届く範囲のサンゴ台やガラス壁まで綺麗になっています。今回もサンゴ台のフチから身を乗り出してハサミを伸ばして藻を食べてくれていました。さらに今日は調子が良いのか垂直のガラス壁に爪を立てて台の下までチャレンジ。かなり粘っていましたが、程なく下に落下。そんなおかげで、マメスナは大繁盛で姿を消していたいろいろなカラーがまた復活しまばら空いていたサンゴ岩がびっしりポリプに覆われています。その反面、スターポリプにつくトロロ藻をなぜか「お玉」は掃除してくれません。そのため２週間もするとトロロ藻に覆われてポリプが開かなくなってくるので、スターポリプは共肉を広げることができず繁殖停滞しています。そのためスターポリプの藻だけピンセットで毎回除去しています。ピンセットだと共肉を傷つけて、元気なポリプもすぐに共肉に隠れてしまいます。多分、「お玉」もそんな繊細なことを知っていてスタポの藻をスルーしているのかもしれません。

2018.4.28
本格的な春を実感するのは、太陽の日差しより水槽の水に手を入れた時、今まで暖かかったのが、冷たく感じる瞬間です。水槽を安定に管理するために電気機器は欠かせませんが、長い間使っているとタイマー関係の設定がズレてきます。進化の著しい水槽機器ですがタイマーの精度にかける余裕はまだないというところでしょうか。１０分ぐらいは平気でズレてきます。水槽タイマーというとどんなものがあるかといえば、ＬＥＤライトのON、OFF設定や自動エサやり機の時間設定などで、『えび部屋』では昼をイメージする白色光と、明け方や夕方をイメージする青色光を別のタイマーで管理し、エサやりは朝一回と決まっているので、タイマーがズレるとそれぞれのタイミングがズレて、明け方が短かったり、夕方が長かったり、目覚めと同時にエサをまいたりと魚の体響によくないので、たまに時刻の調整をしなければいけません。が、タイマーの設定は導入時に１回やるぐらいで、設定方法をほとんど覚えていないので、毎回、取説を探して右往左往するのでした。数日前も自動エサやり機が１０分ぐらいズレていたので、時刻を調整するついでに電池を交換したところ、感覚で再セットしたものでエサ投入の設定が効いておらず、自動なのでそのまま平日はついほったらかしにして、数日間エサなしになっていました。休日になって今日は一段とエサをねだるなと思って気づきましたが、下手をすると連休を挟んで餓死させてしまうところでした。

2018.3.25

子供クマノミ「岡田くん」の成長の勢いは、導入当初に比べておさまったものの、また一回り体高が大きくなったようです。とはいえ半年過ぎてもまだあどけなさが残るのは「ニノ」がエサを独占しているからでしょう。食事中の「ニノ」が殺気立つので、「岡田くん」の食事は、「ニノ」が夢中で食べる隙をみて、エサをかすめとり離れた場所へ非難するテイクアウト方式です。口がまだ小さい「岡田くん」はなかなかエサを丸呑みすることができません。しばらくエサと格闘し飲み込んでから、また急いで「ニノ」の横をすり抜けエサを漁りますが、「ニノ」の食欲のため、３〜４口ぐらいしか食べられず、結果的に成長がゆっくりなのかもしれません。欲張りな「ニノ」は「岡田くん」が餌場の前を泳ぐだけで、口で鋭いツッコミを入れます。その理不尽な行為に「岡田くん」も怒って仕返しをしますが、それがまだ赤ちゃんだった頃にショップの水槽で仲間からパワハラされていた”ヒレかじり”です。立派な「ニノ」の背ビレに堂々とかじりつく姿はとてもいじめられっ子に感じられない気の強さですが、「ニノ」の方は単に相方が鬱陶しくジャレついてくるぐらいにしか感じていません。エサのないところでは時々ランデブーをしたり、全体にみればイガミあいながらも和気藹々といったところです。

2018.3.3

「マメスナ詰め合わせ」は気がつけば槽歴が目標の１年を大きく上回っていました。今ではスタポとマメスナだけですが、１年以上生きていたのは、ツツウミヅタ、イエローポリプ。やや届かなかったのがハナヅタとボタンマメスナです。ということで、なんとかソフトコーラルはある程度攻略できるという結論にします。そのマメスナとスタポはその後あまり爆発的には増えず、こう着状態ですが、いつもポリプを開いていて安定している状態です。なんとなくマメスナの方は、ライトの影になっている部分に密集しているようで、今のＬＥＤの光が合わないのかもしれません。スタポは相変わらずつかみどころがわかりません。一時は共肉をどんどん伸ばしそうな勢いでしたが、藻に侵されて停滞。ヤドカリ「お玉」による御庭番行為で藻は影を潜めましたが共肉の成長は止まったままです。
ウミアザミは槽歴はすでに２年を上回っていて、いろいろ波乱万丈でしたが、完全に攻略できたといっていいでしょう。１株になって今までで最大に茎が太く、ポリプもエグいほどフサフサになびいています。今後の課題はどちらも繁殖です。ウミアザミは前回のヤドカリのスカーレットリーフハーミットクラブがズタズタに引き裂いたことで、枝分かれが成功したように思われますが、「お玉」は全くウミアザミのサンゴ台に興味はないようです。

2018.02.25
スベスベサンゴヤドカリ「お玉」の御庭番現象は、その後も何度も見られました。台が傾いた時だけだと思っていましたが、どうも下にエサがなくなると、自力でよじ登っていて、サンゴの周りの藻を綺麗にしていってくれるようで、かなり動き回って運動能力は高いようです。おかげで以前のようにピンセットでサンゴの間の藻を注意して引っこぬくストレスからはだいぶ解放されました。これは、今までの草食性の貝類やエビ類の中で最も優秀といってカゴンではないでしょう。全くそういう情報を知らずにマスコット代わりに導入したので、思わぬ拾いものです。他の魚も一切チョッカイをかけることがなく、お互いにガン無視。気になるのは、サンゴ周りは綺麗になったものの、サンゴ自体はあまり増殖してくれず成長は遅いようです。「お玉」の影響じゃなければいいのですが。それから、マメスナ側の藻は減ってくれた分、どういうわけかウミアザミ側のシオグサがやたらと繁殖し始めました。１週間で水面に届くほどの勢いです。また水槽の富栄養化、汚れが溜まっているのかもしれないので、今月から水換えの際にスポイドで底砂の中の水を吸い出すことにしました。スポイドを砂底の奥まで突き刺して底に溜まったデトックスを取り出すもので、吸い上げた砂と水を選り分けるため１０回程度しかできませんが、とりあえずこれで様子をみたいと思います。

2018.02.12
全国的に記録的な寒波で、毎日、寒い日が続いています。それまで寮にいた時と違い、新居ではかなり寒さが気になります。幸い普段で水槽の温度が下りきってしまうことはありませんが、やはり水換えの時は、水道水を使ってすぐに海水を入れてしまうと水槽が１０度近くに下がるので、サンプ槽のヒーターで十分温めてからポンプで送るようにしています。それでも、水温が２５度になるにはかなりの時間が必要で混ざりも悪いので、ヒーターを１つ買って水道水を温めるようにしました。

2018.01.13

正月休みは５日ほど家を空けましたが皆無事でした。フロートバルブの自動給水システムで水面も下がらず、給水タンクはほぼ空でしたが、水槽コンディションは上々のようでした。難点といえばサイホンにしているので、普段の水換えの時はチューブに毎回呼び水を入れなくてはいけないことです。これは1.5リットルのペットボトルを流用しているからですが、今後、底抜きのタンクを考える必要があるようです。年末にサンゴ台に上がってサンゴの雑草刈りの御庭番を勤めていたスベスベサンゴヤドカリ「お玉」は、年末年始をサンゴの上で過ごした後も居座り続けています。マメスナやスタポの付着していない部分は綺麗に藻を平らげてくれて、岩肌が真っ白なのですが、サンゴに付着したり、サンゴの隙間から伸びている藻に関しては掃除してくれず、結局スタポやマメスナが藻に覆われている状況にさほど変わりありません。それでもなんとなくサンゴが元気なような気がします。子供のニモ「岡田くん」はまた一回り大きくなり、赤ちゃんから子供に成長したようです。

2017.12.25
マメスナ詰め合わせの藻が１週間も持たずにボーボーに伸びて手入れが大変です。スターポリプやマメスナは藻が邪魔をして減少傾向です。当初は６つぐらいあったイエローポリプも藻に絡め取られ、残り１ポリプとなり縮んで今にも消えてしまいそうです。この事態を見かねて、再度、お庭番「お玉」を召喚することにしました。サンゴ台を傾け、下のライブロックの頂上に少し近づけておくと、一晩で「お玉」がもうサンゴ台に登って一仕事済ませていました。たった一晩で、マメスナ詰め合わせの藻はほとんど取り払われて、白い岩肌が前よりもたくさん増えています。と、あのイエローポリプの所まで綺麗さっぱりなくなっていて、ハナヅタやツツウミヅダに続いて消失していまいました。スベスベサンゴヤドカリがサンゴに害がないというのは間違いでししたが、藻の除去能力はずば抜けているので、痛し痒しといったところです。岩についた藻や苔を隅々まで剥がして食べて、白い細長い糞をたくさん残していました。「お玉」は当分この場所を立ち退くつもりはないようです。
ガラスについた石灰藻をヘラで足掛け３時間かけて剥がし、大掃除完了です。

2017.12.20
本格冬の到来で、部屋の中は常に１５度以下となり、ヒーターは３０分もまたずにオン、オフを繰り返し、指先がカサカサに、足の指がササクレてくると、心配なのが水槽の水位です。１日で４００〜５００ｃｃは蒸発するので、ほおっておくと海水の塩分濃度が上昇してサンゴに悪影響が懸念されます。特に年末の帰省は多少の水足しはしていくものの、このぶんでは、１週間ももたないかもと、ずっと気にかかっていました。そんな時に、ショップで見つけたフロートバルブ。これは便所のタンクと同じで、浮き子が給水弁と連動していて、水面が下がると浮き子が弁を開けて元の水面まで真水を供給するシステムが電気を使わずに作れます。とは言ったものの、実際に形にするのは大変で、固定治具が合わずに七転八倒して、使い真水の入ったペットボトルからサンプ槽へサイホンで供給する簡単な機構を取り付けました。これで毎日の水足しも簡単になることでしょう。

2017.12.3

スベスベサンゴヤドカリ「お玉」がマメスナ詰め合わせのサンゴ台に上がっていました。よく見るとサンゴが台からせり出して、ライブロックに近寄っていたようです。前回、サンゴに被害が見られなかったので、今回は放っておくことにすると、マメスナ詰め合わせのサンゴのない部分の藻が綺麗に剥がされて白い岩肌がむき出しになっています。それで思いついたのは、最近下のライブロックの赤っぽい肌がやけに白くなっているなと思っていたのに合点がいきました。「お玉」は石灰藻やシアノバクテリアが好物なのでしょうか。特にスタポやマメスナに異変はなさそうなので、さらに観察すると、トロロ藻やヒゲ藻の格好の繁殖場になっているサンゴ台も綺麗に藻が刈り取られてピカピカになっています。ライブロックではヒゲ藻やトロロ藻になんの興味示してくれませんでしたが、このサンゴの岩ではこれ以上ない働きです。まさにサンゴの御庭番と言える初めての存在です。残りサンゴ石の先端の方の藻を刈り取ってくれたらいうことがありませんが、先端の下はサンゴ台が届かずせり出した状態になっていて安定が悪いため、おそらく「お玉」は石の先端まで藻を刈ることしなかったのかもしれません。「お玉」が休んでいるところを見計らって、サンゴをずり上げて、サンゴ台から落ちないように位置を調整したのですが、身の危険を感じたのか「お玉」はサンゴ台から降りてしまいました。

2017.12.1

「ニノ」の食欲はますます旺盛になってきていて、こちらが水槽に近づくとエサをもらえるものと思って、水面でアピールするようになりました。こちらがシブっていると水面から口を出してパクパクしてエサを要求。シュアーＳがよほど気に入ったのでしょうか。そしてついにパートナーの「岡田くん」がエサ場に近寄ると時々、追い払う仕草を見せるようになりました。幸い本気の攻撃ではないので「岡田くん」も「ニノ」に怯えることはないようですが、エサ時にビックママと化した状態の「ニノ」に、少し距離をおくようになり、ヒット＆ウェイでエサをかすめとっています。木の葉のように小さく薄っぺらかった「岡田くん」もここにきて太ってきたようで、特に体高が増えて少し貫禄がつきました。顎のしゃくれとたどたどしい仕草は相変わらずで、このままゆっくり成長していってもらいたいものです。

2017.11.5

引越しで水槽をリセットし一旦おさまっていた水槽の富栄養化で、水槽の藻の繁殖はやや膠着していたものの、ライトの直下にあるサンゴ周りの藻の繁殖は旺盛で復活しようとするスタポやマメスナを覆い尽くして繁殖を妨げています。２週に１度、藻を除去してポリプが元気になり、しばらくすると藻が増えてポリプが弱るのを繰り返しているといった感じです。藻に遮られていびつに成長したスタポの共肉を藻と共にうっかりむしってしまい、困ったあげくに、ライブロックの岩の上に載せていたのですが、気づいたら、そこから小さなポリプが２つ３つ出るようになりました。水面に比べて光が弱いので藻の成長も遅いらしく、藻にのみ込まれなかったのが良かったのでしょう。このまま共肉を伸ばして岩に取り付いて欲しいところですが、いわくつきのライブロックなので難しいかもしれません。

2017.11.2

赤ちゃんクマノミ「岡田くん」のヒレが黒く縁取られてきました。こうしてみると大人の「ニノ」とサイズ以外の大きな違いはないので、赤ちゃんから子供に成長したと行ったところでしょうか。「岡田くん」は「ニノ」より人見知りをせず、人懐っこい性格で、水槽の掃除をしていると水面まで上がってきて作業の様子を見に来ます。負けん気も多少強いのか、「ニノ」が鬱陶しいと尻尾にかじりつくようさ仕草を見せます。「ニノ」は食欲が爆発したせいで、食べ方が少し雑になっていて、朝のエサを食べこぼすことが多くなり、クビアカハゼの「こぶーちゃん」が処理しきれないほど食べ残しが砂底に落ちるようで、その分、スベスベサンゴヤドカリがフル稼働して残飯を漁っています。だいぶ栄養が取れたのか、朝見ると青い殻を脱いで脱皮していました。最初は油断した「岡田くん」に襲いかからないかとヒヤヒヤしていましたが、フタを開けるとサンゴをむしることもなく、他の生物には、ごくおとなしいヤドカリのようです。

2017.10.21

「ニノ」が食欲にめざめたのか、いつも水面に寄ってきてはエサ場の下をうろつくようになりました。ペア化したために妊娠の準備でエサを求めているのかもしれません。朝一回にまとめて少し多めにしていますが足りない様子。朝夕の２回にするとエサの与えすぎで藻の繁殖の元になります。かといって、量をしぼって与えると、全部「ニノ」が平らげておこぼれが「こぶーちゃん」達に回らなくなる可能性があります。そこで、時々水槽の様子を見て直接エサを加減しながら与えることにしました。栄養が高く嗜好性の良いシュアーのＳサイズの缶を新しく開け、スプーンの先に乗る程度のシュアーを与えると、「ニノ」は水槽から飛び出しそうな勢いで夢中で食べています。相方の「岡田くん」も赤ちゃんらしからぬ素早い動きで「ニノ」をかいくぐり水面のシュアーをゲット。でも、Sサイズでさえ粒が多きすぎて飲み込めず、口に頬張ったままエサと格闘しています。よほど美味いのか、一度吐き出して食べ直そうとしません。「ニノ」に取られることを本能的にわかってるようで、口からはみ出しているシュアーとこう着状態が続き、それでもどうにもならないと「ニノ」から離れて口から吐き出し、水で柔らかくなったのかようやく飲み込むことができたのでした。

2017.10.14

クマノミペアで影が薄いクビアカハゼ「こぶーちゃん」ですが、ペアになった「ニノ」にいじめられることもなく奔放に暮らしています。赤ちゃんニモについては一度「こぶーちゃん」が追いかける仕草をしましたが、その時はうまくタイミングをかわされて不発に終わり、その後は低層と上層で棲み分けているのでトラブルはありません。食事時も底に落ちてくるエサにうまくありついているようです。といっても「こぶーちゃん」の主食は自然発生しているアミエビやヨコエビなどのプランクトンで、落ちてくるエサよりもプランクトンを捕るのを優先したりしています。日中はプランクトンのいそうな場所でジッと動かずプランクトンが出てくるのを待っています。実際、捕食する瞬間はよく見るのですが、獲物が小さすぎるのかはっきりプランクトンが食べられるのを見たことはありません。ただ、お腹はいつも何かでパンパンで、消えてしまった「えび部屋・２」の重鎮「タロウ」のように気泡ではないことは確かです。

2017.10.11

赤ちゃんニモがきてから５日ほどが過ぎましたが、ボロボロだった尻ビレがもとどおりに復活しました。白い透明なヒレが伸びてきて羽のようです。まだ濾過循環の水流に逆らうことができず、押し流されています。一方「ニノ」の方は体がお産のスイッチが入ったようで、毎日のエサへの執着心が一層激しくなったようです。朝一回のエサだけでは足りないらしく、エサ場にきてはエサが浮いてないか頻繁に確認しています。
スベスベサンゴヤドカリは、あれからサンゴ台を正常に戻してからは、マメスナ詰め合わせに登ることはありません。ライブロックに生え放題のトロロ藻やシオグサ、バロニアには興味がないらしく、残りエサ以外に何を食べているのかさっぱり不明です。

2017.10.8

昨日はすぐに消灯時間だったので、翌朝、もう一度確認してみると、昨日と同じに、赤ちゃんニモが「ニノ」にまとわりついて、後を追いかけ回しているので安心しました。エサも仲良く食べているようです。ショップの水槽では隅っこで目立たないようにしていたのが嘘のよう。まるで母親とその子供といった感じです。といっても、昔飼っていたハマクマノミの「ボス」は自分の子供「サム」を殺しそうなほど追い詰めていましたが。そんな「ニノ」と赤ちゃんニモですが、夜は別れて寝ているようで、赤ちゃんニモはやはりショップ水槽の習慣が残っているのか、水面すれすれを泳ぎながらボーッとしています。ネットを外しているので、そのままオーバーフローに吸い込まれないか心配です。
スベスベサンゴヤドカリはというと、そこそこの大きいサイズにもかかわらず、どこを探しても見当たりません。ついに諦めてサンゴの方に目をやったところ、マメスナ詰め合わせの上にデ〜ンと鎮座しています。サンゴ達は垂直のガラス面に設置したサンゴ台に乗っけていて、ヤドカリがたどり着くことは不可能なはずなので目を疑いました。サンゴ台をよく見ると掃除の時にぶつけてしまったのか、台が斜めに傾いでいてライブロックとの隙間が２cmぐらいに近づいていました。考えられるとすればそこしかありませんが、砂底からライブロックを登り、その先端から体を目一杯伸ばして台に移ったわけで、サンゴが大好物としか考えられません。慌てて殻をつまんで取り出そうとすると、ヤドカリは直ぐに察知して爪をがっちり岩に引っ掛けて、貝のようにくっついて動かなくなってしまいました。幸いサンゴが食害されている様子はなく、ポリプも開いているのでそのまま様子をみることに。するとエサの時間となって、ヤドカリはエサの匂いのするところを目指してサンゴ台から転げ落ちて行きました。

2017.10.7

えび部屋２を始めた水槽創設初期の「週末クラブ」のメンバーに、前々から「ニノ」のパートナーを催促されていましたが、ペアにすると卵とかケンカとか面倒なのでずっと渋っていたのですが、「ニノ」もすっかり成熟し、時折見せるお産の仕草とかを見るにつけ、新しい引越し先が決まって落ち着いたら相手を探すことを約束していました。残暑のピークも過ぎ、早速「ニノ」のパートナーを探しにショップにいきました。最近はよくブリード（養殖）が出回っていて、生後３ヶ月ぐらいの親指の爪ぐらいの赤ちゃんカクレクマノミ（ニモ）をよく見かけるようになりましたが、ちょうどかわいい盛りでいい客寄せパンダです。この日もいい具合に５〜６匹いて、狭い水槽で自我に目覚めたのか、お互いを威嚇し覇権を争っている様子です。他の水槽にも「ニノ」と体格が釣り合いそうな成熟した個体もいましたが、相性が悪いと水槽を分けなければならず、別の水槽にわざわざ同じ魚を飼ってもなんの面白みもありません。それなら念願だった赤ちゃんニモにして、もし「ニノ」が威嚇してきたら、単独飼にして楽しむのも少しは楽しいかもしれません。でも何故か赤ちゃんニモとなら、うまくいくような予感がありました。店員さんに適当に選んでもらうと、さっきまで元気よく追いかけっこをしていたニモ達が一斉に隠れてしまい、仕方なく手前の水面近くにいたおとなしそうなのを１匹を捕まえてビニール袋に入れてくれました。今まではどんな魚やエビにもケンカをすることのなかった「ニノ」ですが、念のため、赤ちゃんニモへの矛先回避に、気休めですがスベスベサンゴヤドカリを撹乱役に１匹連れて帰ることにしました。
水合わせでビニール袋のまま「ニノ」とご対面。「ニノ」は自ら近づくことはありませんでしたが、すぐ相手に気づいたようで、離れたところからチラチラ様子をうかがっています。途端に女の子らしい角の取れた優しい仕草なったように思えました。赤ちゃんニモは２cmほどで木の葉のように薄く、ちょっと顎がしゃくれています。よく見ると尻ビレがボロボロになっていて、おそらく先の覇権争いに負け、仲間から尻ビレを突かれてイジメられ、隅っこに身を寄せていたのでしょう。それでも何倍もある「ニノ」にビビることもなく、ビニール袋の先へ行こうともがいています。これなら大丈夫だろうと、十分水合わせした後に水槽に入れると、赤ちゃんニモは一目散に「ニノ」に近づいて行って、まとわりつくように泳ぎ出しました。「ニノ」は嫌がることもなく、優しく受け入れているようでした。まさに恋人・・というより親子といった感じです。無事にペア成立です。
一方、スベスベサンゴヤドカリは底砂の上で動かず、じっと体を慣らした後で、岩の影に消えていきました。

2017.10.7

水槽を引越しして１週間近くが過ぎましたが、ライブロックやガラス面などに藻の繁殖はほとんど目立たなくなりました。やはり前の水槽には汚れが溜まっていて、今回のリセットで少しは汚れが減ったのでしょう。特に底砂が臭ったので、今後はマメな掃除が必要のようです。カクレクマノミの「ニノ」もクビアカハゼの「こぶーちゃん」も雰囲気の変わった水槽に徐々に馴染んできた様子。サンゴの方は、ウミアザミは前回３本が生存競争に負け、生き残り１本という悲惨な結果から、新水槽の水が合わずポリプが縮こまっていましたが、徐々に茎をどっしり太くしてシオグサやバロニアに負けず根をはっています。マメスナ詰め合わせの方は一時期ナリを潜めていたスターポリプ達がまた勢力を吹き返し、共肉の成長も早くなかなかの生命力を発揮しています。ただ、マメスナギンチャク達はなぜか不調で８割がポリプを閉ざしています。水質の変化の影響か、水がきれい過ぎるのが肌に合わないのか、今までほとんど体調を崩さない赤系マメスナがほぼ閉店状態です。こうした異変に、まじまじとマメスナ詰め合わせを眺めてみると、当初と比べてかなり分布が変わってしまっていて劣化は隠せません。中央はヒゲ藻に占拠されサンゴのない空き地ができていて、サンゴの隙間という隙間から藻や海藻がサンゴを押しのけて伸びていて、当初のバランスよくびっしりとサンゴで覆われていた頃に比べ、ずいぶんくたびれてしまいました。タフの代名詞だったボタンマメスナももう姿がありません。ランドマークであるツツウミヅダは中央で３本ほどのポリプを伸ばしていますが、絶えず藻に襲われ続け、やせ細り今にもポキンといきそうです。ハナヅタは現れては消えを繰り返しながら細々と命をつないでいましたがとうとう姿を見せなくなってしまい、イエローポリプも６〜７株から３株に減ってしまいました。今回の移転による水質改善でなんとかまた初めの状態に戻ってもらいたいものです。

2017.9.24

退去の前々日の最後の日曜日、意を決して水槽の移転に取り掛かったのは、なんだかんだで16時を過ぎた頃でした。最初に水槽のなるべく綺麗な状態の水をバケツにたっぷり移し、ライブロック取り出し、頑固に根を張ったシオグサを極力むしり取って、そこに入れ、更にサンゴを入れて新しい水槽ができるまでの簡易水槽とし、そこに抵抗する魚達を回収して移せば、ライブロックが隠れ家となって魚達も落ち着きます。注意すべきはサンゴで、簡易水槽を運ぶ時にライブロックに挟まれたり、ひっくり返って傷つかないよう注意が必要です。そして、残った水槽の水を抜き、底砂を袋に回収していきます。途端に卵の腐ったようなイオウ臭が立ち込めます。これは酸素が少ないパウダー砂の中の嫌気性のバクテリアが、蓄積した老廃物（デタトリス）を分解している状況と考えられ、かなりの富栄養化が進んでいたようで、これが掃除しても１週間で藻が爆発的に繁殖する真の原因なのかもしれません。砂を綺麗に洗い落としたいところですが、そんな時間もないので、なるべく水を切って砂を回収しました。砂の中からは、いろいろな過去の遺物・・・フジサオウニ”海斗”の腕や、生死不明のまま砂の中に没してしまったコイソガイ”ダイソン”の殻、ヤドカリのスカーレットリーフハーミットクラブ”やっちゃん”の貝殻、そして、ここしばらくとんと見かけることがなかったムシロガイ”レイコプ”の貝殻・・・いつの間にか亡くなっていたようです。その後、ガラスの汚れを真水であらかた落としました。ここですでに夜の８時を過ぎていました。夕食抜きで、続いてポンプ、ヒーター、プロテインスキマーなど付帯器具を取り外し、更に配管を分解し、サンプ槽を外して底に溜まった水を抜きました。こちらもすごい汚れです。全てを箱詰めし、重い水槽台を車のトランクへ運び、簡易水槽を袋に包んで慎重に車の助手席に乗せ、全てを新居に運び込んだ頃には深夜１２時を回っていました。もうそれからは怖くて時計を見ないようにしながら、途中、備品の忘れ物を取りに帰ったりして水槽を組み立てました。水槽の設置場所については、直前まで悩みましたが、やはりこれを見て決めたと言っても過言ではない部屋と部屋とつなぐ１畳分の廊下スペースにしました。完全小部屋にするには、もう１枚ドアが必要ですが、おいおい探していくことにします。砂を戻し、水槽が満たされるまで海水を何度も作っては入れ、簡易水槽からライブロックを取り出して、前と同じ水槽レイアウトになるよう悪戦苦闘し、濾過器を回して水が済んでくるのを待ちました。その日は肌寒くヒーターがフル稼働しましたが、新しい海水は水温がなかなか上がりません。幸い水漏れはなく安堵しました。水槽が完成する間、簡易水槽は薄暗い部屋に待機させていましたが、もうとっくに就寝時間を過ぎている魚達は、ライブロックを取られても慌てることなく、残ったサンゴに身を寄せてまどろんでいます。それを見ると、一番パニックになっているはずの魚より余裕のない今の自分が滑稽に思えてきました。ようやく水が澄んできて、水温も整ったところで、軽く水合わせをして、サンゴと魚達を投入しました。簡易水槽よりも落ち着かず右往左往してるニノ・・・。
全てを終えて寮に戻ったのは朝の４時前でした。

2017.9.23

秋田で水槽を立ち上げ２年、静岡に移ってから２年、ついに会社の寮を退去する日が近づいてきました。会社の方針で５年で退寮する習わしで、秋田に長期派遣された３年間がプラスされて、この１０月がちょうど５年目に当たります。１日たりとも退去が遅れると日割りで請求されると聞いて８月から余裕を持って家探しを始めましたが、幸い部屋探しはあっさり決まり、３日後の引っ越しに向けて、急ピッチで荷造りを進めました。累計５年分のホコリとの格闘、捨てるモノと持っていくモノと寝床との陣取り合戦も、今までの経験と、荷物が増えないよう注意してた事もあり、比較的淡々と事は進みました。が、やはりどうしても気の重い事は水槽の移転です。形式上はペット禁止の物件であり、引越業者も生き物の引っ越しはしてくれないので、極力目立たないよう自分でしなくてはいけません。前回のように、長距離移送で魚がやられてしまう心配はないと言っても、直前まで水槽を活かしておいて、水を抜いた生臭い水槽を運ばせるのは気が咎めました。藻で覆われ、部屋以上に汚れの溜まっているであろう水槽の水を抜き、掃除して、新居で組み立て、新しく水を張り、魚とサンゴを水合わせして放す一連の作業を、引っ越し当日に当てることはかなり無理がありました。ここは荷造りに集中したいところですが、事前に水槽だけ移転する必要がありそうです。