名前：ボン
２０００年１１月１９日赴任。ボス（クマノミ）とロッキー（イソギンチャク）の夢の共生が実現すると、その次の目標はクマノミの増殖です。イソギンチャクの影響ですっかり大きくなったボスは雌の体質と思われました。自信はありませんが、クマノミの仲間はもともと雄で群れの一番大きいものが雌になるとなにかで読んだ記憶があったのです。そこでボスに相応しい相手は権力（雌）争いのしないボス（１０cmくらい）よりも小型のにしようと思いました。
ところが一度３〜４cmのハマクマノミ（テキサス）をいれたところボスにおびえて引きこもりそのまま死んでしまいました。余りにも小さかったのだと反省し、ひとまわり大きいボンを選びましたが水槽に入れてみると大きさはテキサスとほぼ一緒でした。しかし、ボンは前の気の弱いテキサスと違い、自分から積極的にボスに近付いて行きました。時にボスの逆鱗に触れ追い回されたり、威嚇音をだされたり。そのあと直ぐに立ち直り決してボスを避けようとはしませんでした。そしてボスもボンを仲間に認めたようでした。思えば店でボンを選んだ時、広い水槽の中でボスに近い大きさのハマクマノミと１〜２週間一緒に過ごしていました。おそらくテキサスと違って大きな仲間に慣れていたのでしょう。それがボンとテキサスの命運を分けたのだと思います。ちょこまかと動き回るボンはもっとも写
真を撮り辛いです。
ボンは初めからイソギンチャクに興味を示しました。しかし、初めの数カ月はボスは頑としてボンにイソギンチャクを譲りませんでした。少しでもロッキーに近付いて遊ぼうとすると物凄い勢いで追い払いました。唯一ボンが近付けるのは夜の就寝時で、ボスがロッキーの触手の中で、ボンが足壁に寄り添って寝ていました。そして晩年ロッキーの触手が衰えてくるとボスも四六時中ロッキーで遊ばなくなり、その隙を見つけてはボンがこっそり遊んでいました。
大食漢のボスにくらべ、ボンは遠慮をしているかのように小食です。早く大人になってボスとカップルになってもらいたいのにと思っていると、そのうちブロックの側面
に口を押しつけて身体をブルブル震わせるようになりました。ここに卵を生んでといわんばかりでした。見て見ないフリをしていたボスもそのうち仲良く２匹でブルブルするようになりました。そしてこの度、見事にボスが卵を生みました。かいがいしく卵の世話をする姿は、まだあどけなさが残る中で、立派な大人の一面
をのぞかせてくれました。